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エッジコンピューティングは近年急速に普及していますが、クラウドコンピューティングに完全に取って代わるわけではありません。それぞれの特徴を活かし、合理的なシステムを構築する必要があります。それぞれの技術の違いと、合理的なシステム構築のための重要点をまとめました。
近年のエッジコンピューティングの注目度が高まる一方で、従来のクラウドコンピューティングに関してはあまり騒がれなくなっているように見えます。しかし、クラウドコンピューティングとエッジ コンピューティングはどちらか一方を選択するものではなく、互いに補い合う関係にあります。ここでは、エッジコンピューティングとクラウドコンピューティングのそれぞれの特徴を述べながら、構築にあたっての注意点やクラウドコンピューティングとエッジコンピューティングの使い分けについて解説します。
クラウドとは直訳すると「雲」を意味しています。そのイメージから、サーバーの実態は「雲の中」あるいは「雲の上」にあり、エンドユーザは、そのサーバーの実態を意識しないで、使用することができるシステムを表した名称といえるでしょう。「雲の上」には原則として複数のサーバーがあり、役割を分担していますが、「雲の下」、すなわちエンドユーザの側ではそれを意識しないで使うことができます。つまり、複数のサーバーをあたかも1つのサーバーのように扱う技術のことなのです。
登場の背景としては、インターネット環境の進化が挙げられます。インターネットの発達が、結果的に複数のサーバーが乱立する状況を促したといえるのです。こうした状況では、エンドユーザはそれぞれのサーバーに都度アクセスを行う必要があります。たとえば、機能別にサーバーが構築されている場合、クライアントは異なるサーバーにアクセスするたびに異なるパスワードを入力しなくてはなりません。しかし、これはクライアントにとって大変煩雑になってしまうため、サーバーの管理や統合が課題となりました。この問題を解決したのが、クラウドコンピューティングという技術です。
クラウドコンピューティングを支えている主な要素技術としては、仮想化技術、分散技術、セキュリティ技術が挙げられます。ここでは、それぞれの要素技術を見ていきましょう。
ここからはエッジコンピューティングについて見ていきましょう。こちらはクラウドコンピューティングの「雲の上」での処理に対して、「雲の下」での処理を行います。つまり、よりエンドユーザに近いところで処理を完結させることが目的です。「エッジ」とは「端」という意味で、ネットワークの末端で処理を完結させることを表しているといえます。エッジサーバー内部で処理を完結させることで、ネットワークへのデータの流出を抑え、クラウドサーバーの負担を軽減することができます。
クラウドコンピューティングが一般的になり、さまざまな分野で使用されるようになりました。しかし、近年のIoT化の流れのなかで、情報システムには大量のデータを高速に処理することが求められています。この命題をクリアするためにも、分散処理が行えるエッジコンピューティングに注目が集まるようになったのです。
クラウドコンピューティングを支える要素技術は主にソフトウェアの技術ですが、エッジコンピューティングではハードウェアの要素技術が重要です。主として信頼性技術、無線技術、リアルタイム処理技術が挙げられます。
それでは、クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングを導入するにあたっては、どのようなことに注意して進めればよいのでしょうか。主なポイントを以下にまとめます。
システムの適用範囲を明確にする
まず、システムの適用範囲を明確にする必要があります。IoTの場合、すべてをエッジコンピューティング、またはすべてをクラウドコンピューティングで実現するのは、現実的には不可能といってよいでしょう。このため、最初に実現したい機能の割り振りを詳細に描いておく必要があります。これはコスト面でも重要になってきます。というのも、クラウドコンピューティングの場合は必要になれば後から機能を追加できる場合が多いのですが、エッジコンピューティングの場合は同じように考えられないためです。特に後者はイニシャルコストが高い場合が多いので、適用範囲を決めておかないと、採算が取りづらくなります。
システムに必要なスピードを考える
一般的な事務処理にはクラウドコンピューティングのスピードで十分なことが多いでしょう。また、エッジコンピューティングはスピードを要求されるときだけに使用するのがベストです。
コストメリットを考える
以上のことから、一般的な事務処理にはクラウドコンピューティング、IoTにはエッジコンピューティングというのが、コストメリットが最適になる場合が多いです。
以上、クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングの特徴と、それらを支える要素技術、さらに導入にあたっての考慮すべき点を述べました。上述したように、クラウドコンピューティングと、エッジコンピューティングとは二者択一ではなく、補い合う関係にあります。また、適用される分野によっても、向き不向きがあります。クラウドとエッジの特徴をつかんで、より合理的なシステムを構築すべきでしょう。
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